イタンジ株式會社は、今夏よりセルフ內見型 新賃貸サービスを提供します。
2012年の創業からこれまで、不動産賃貸領域において、業界の構造上生まれる情報の非対稱性により、不動産事業者も入居希望者も不便を感じる構造を変えるべく、BtoCサービスとして、賃貸情報ポータルサイト、次に、無店舗型仲介サービスを提供しましたがいずれも撤退。3度目の挑戦となる今回のセルフ內見型 新賃貸サービスは、これまでのサービスと何が違うのか。そして、どのようにして日本の不動産賃貸領域を変えていくのか。
イタンジ株式會社 執行役員であり、セルフ內見型 新賃貸サービスのPMを務める永嶋章弘が語ります。

2度のBtoCサービス撤退を経て得た知見

新しいサービスのお話を伺う前にまずは、イタンジがこれまで提供してきた2つのBtoCサービスについて教えてください。

イタンジとして初めて提供したBtoCサービスは「HEYAZINE(へやじん)」という不動産管理會社 が直接募集物件を掲載する賃貸物件情報のポータルサイトです。
賃貸物件を借りるときには登場人物が3者います。部屋のオーナーから物件を預かり入居者を探す不動産管理會社、入居希望者に合った部屋を紹介する不動産仲介會社、そして住む部屋を探している入居希望者です。不動産仲介會社は成約時に、入居希望者からの仲介手數料、および、物件によっては不動産管理會社からの広告料を得るというビジネスモデルです。
この3者間には電話やFAX、メールを用いた煩雑なやり取りが未だ多く存在しており、入居希望者にとっては、物件ポータルサイトなどを見て問い合わせをしても、既にその物件が埋まってしまっていたり、內見の予約に手間がかかったり、手書きで多くの申込書に記入をしなければならないという不便さがありました。

イタンジが考案したHEYAZINEは、不動産管理會社と入居希望者を直接つなぐというコンセプトの賃貸物件情報ポータルサイトです。不動産仲介會社を介さずに、直接、入居希望者が不動産管理會社から物件を借りられるというモデルを作ることによって、仲介會社が成約時に入居希望者から得ている仲介手數料を削減し、不動産管理會社が不動産仲介會社へ支払う広告料も削減できるため、入居希望者?不動産管理會社雙方にメリットを出せると考えました。また、不動産管理會社が直接物件情報を掲載するため正確な情報を提供でき、おとり物件を無くすことができるというメリットもありました。
そこからサービスをローンチしたものの、ローンチから間もない段階でいくつかの課題が浮き彫りになってきました。

どのような課題が出てきたのでしょうか?

まずは、不動産管理會社側の課題です。
HEYAZINEでは従來、不動産仲介會社へ支払われていた仲介手數料や広告料の削減に寄與することはできていたのですが、不動産管理會社によっては、入居希望者に対し部屋の內見案內をし、申し込みを受け、賃貸借契約の締結まで行う仲介業務を行うことが人手不足等により難しいというケースが多々ありました。
2つ目の課題は、エンドユーザーのUXに関するものです。
仲介會社は複數の管理會社にまたがって賃貸物件を紹介できることが強みですが、HEYAZINEには不動産仲介會社が存在しないため、エンドユーザーが直接管理會社とやり取りをしないとならず、、検討している賃貸物件の數に比例して管理會社との連絡の手間も増えていきます。そのUXの悪さも大きな課題でした。
このように著想は一定の評価をされたものの、サービスとして未完成な部分が多くクローズに至ったのが一番初めのBtoCサービスであるHEYAZINEです。

2つ目のサービス「nomad(ノマド)」ではイタンジ自ら仲介會社となり、賃貸仲介サービスを提供していましたが、nomadが上手くいかなかった理由は何だったのでしょうか?

「nomad」は、無店舗型の不動産仲介サービスです。
HEYAZINEを通して不動産管理會社が行うことが難しい不動産仲介業務を代行する必要性を感じたため、nomadではイタンジが仲介會社の役割を行いました。仲介手數料が相場(家賃1か月分)より大幅に安く、來店の必要がなく直接希望する物件の見學へ向かうことができ、対面だと聞きづらいこともチャットで気軽に質問できる革新的なサービスでした。nomadは入居希望者から高評価を得て、累計15萬人以上の方に利用いただき、多くのメディアで取材いただきました。
そのnomad が上手くいかなかった端的な理由が、収益性の低さです。
nomadは入居希望者からの仲介手數料を削減不動産管理會社からの広告料 をメインの収益源とする薄利多売のビジネスモデルでした。
仲介手數料を大幅に削減できるという不動産管理會社や入居希望者に対する単純明快なメリット訴求ができ、成約數も多い時期では月間200~300件を達成することもありました。ただ、それだけの成約數を達成するも、內見案內から契約に至るまでの人的コストに見合う収益をあげることはできませんでした。
nomadは入居希望者からは評価が高くリピーターも多かったサービスでしたが、収益性が低く投資や採用なども難しく継続が困難になったため、惜しまれながら撤退することになりました。

BtoCサービスからBtoBに転向

nomadから撤退したのちに、不動産管理會社向けの業務支援システムITANDI BB(イタンジ ビービー)シリーズ「ぶっかくん」「內見予約くん」「申込受付くん」や仲介會社向け自動追客&顧客管理CRM「nomad cloud(ノマドクラウド)」などBtoBサービスを開発していますが、BtoBサービスの開発を始めた理由を教えていただけますか?

BtoBサービスを開発し始めた頃は、本當に資金がなく危機的狀況で僕も含め社員全員がかなり焦っていました。
そんな狀況下で、何か確実に売上をあげることができるようなサービスはないかと全員で考えた結果生まれたのがBtoBの業務支援サービスであるITANDI BB(當初はぶっかくんのみ)やnomad cloudでした。
そういったBtoBの業務支援サービスが生まれたのは、nomadでイタンジ自ら不動産仲介をやっていたからこそです??帐掖_認を電話でしなければならなかったりや、入居希望者とも電話やFAXでのやり取りが多いなど、誰もが不便と感じているはずなのに慣習的に続けられていることが不動産業界には多く、私たちはnomadの運営を通してその実態を目の當たりにしました。
そのような自分たちが當事者として感じていた課題や、目の當たりにしていた課題を解決するためのサービスを開発すれば需要があるのではと思ったのがBtoBサービスを開発し始めた理由です。

BtoBプロダクトの業界浸透を足掛かりに、3度目の挑戦

そこからGAテクノロジーズとのM&Aを経て、今夏に3つ目のBtoCサービスとなるセルフ內見型 新賃貸サービスを提供予定ですが、セルフ內見型 新賃貸サービスとはどのようなものなのでしょうか?

従來の賃貸のお部屋探しは、物件ポータルサイトを見て、不動産仲介業者の店舗に行き、內見のため案內をしてもらい、「住みたい」となれば、FAXなどで申込書を送り、賃貸借契約を結びに再び不動産仲介會社の店舗に行くというものでした。
この従來のプロセスにはいくつもの課題が內在しています。例えば、物件ポータルサイトでは最新の空室情報を不動産仲介會社が知ることができないため募集の終了した物件が掲載され続けてしまったり、悪質なケースでは集客のためのおとり物件が掲載されていたりすることがあります。また、不動産仲介會社の店舗に足を運ぶ必要があったり、申し込みや家賃保証會社の審査などに関わる書類をそれぞれ手書きしてFAXしなければならないため契約までに手間とコストが発生することも課題です。
私たちが提供する新しいサービスでは、 従來のお部屋探しのプロセスに內在するこういった課題を解決し、入居希望者に新たな體験を提供します。

新たな體験とは具體的にどのようなものか教えていただけますか?

物件を探すところから入居申し込みまでの、お部屋探しの一連の流れを不動産會社の営業時間外であっても自分の希望する時間帯に、來店せずにオンラインで完結することができる、という點が最大の特徴であり新たな體験であるポイントです。

どのようにして実現しているのでしょうか?

ポイントは2つですね。
1つ目がBtoB業務支援サービスであるITANDI BBとの連動。2つ目がスマートロック活用によるセルフ內見の実現です。
1つ目から順に説明します。なぜ、ITANDI BBがポイントかというと、ITANDI BBと連動することによってリアルタイムな物件情報を提供できるようになるからです。
従來の物件ポータルサイトでは基本的に不動産仲介會社が物件情報を掲載する運用ですが、その情報はリアルタイムで更新されている情報ではないため、エンドユーザーから問い合わせがきた際に仲介會社が管理會社に物件が空室かどうかの確認を電話で問い合わせする必要があり、入居希望者は掲載されている物件なのに実際は借りることができないというEコマースでの商品購入や、ネットでのホテル予約等ではありえない不便な體験をすることになります。また一部の悪質な不動産仲介會社によっておとり物件が掲載されてしまうことも課題の一つとして挙げられます。
ITANDI BBは管理會社が直接物件情報を掲載し、申し込みが入った時點でリアルタイムに情報が反映されるため上記の問題がおこりません。
2つ目のセルフ內見の実現も非常に重要なポイントになります。
実はセルフ內見の構想自體はHEYAZINEのサービスを運営していた 2013~14年からあったのですが、スマートフォンの普及が今ほど全國的に高くなかったことと、スマートロック市場が未成熟でデバイスが高額だったため実現には至りませんでした?,F在はスマートフォンの普及率も非常に高く、スマートロックの市場も成熟してきており高機能なスマートロックが増え、一般的な認知度も向上しているため実現が可能になりました。

ありがとうございます。それでは最後に、セルフ內見型 新賃貸サービスのリリースに向けた意気込みをお願い致します。

インターネットが普及し物件情報へのアクセスは簡単になりましたが、お部屋探しの體験自體は何十年も変わっていません。
物件を探す、問い合わせる、日程調整する、休日に時間をとって內見にいく、入居申込書を書く、完了するまで1、2週間かかる場合もありました。
今回の新サービスでは、思い立ったときにすぐ內見に行けるので、スムーズに進めば思い立ってから30分程度で申し込みまで完了することができると思っています。
このサービスでずっと変わっていなかったお部屋探しの體験を変えていきます!